二つのシルエット
「…だから、悠生。
蒼姫になれ。」
「えっ?」
何?蒼姫って…。
私の考えてる事が分かったのか、那都が話し出した。
「蒼姫ってのは、
俺たち蒼龍が命をかけて守る1人の女の事だ。」
…ちょっと待って!
それって紅龍の私がなってもいいの?
だいたい…、
「私みたいな来て何週間しか経ってないような女がなっていいの?
その…蒼姫ってのは…、」
私がそう言うと、那都は吸っていたタバコを吹き消してまっすぐこっちを見て答えた。
「悠生だから、なって欲しいんだ。」
と言って、那都はまたタバコを吸いだした。