二つのシルエット
「何言ってんすか!
悠生さんなら全然守りますよ!」
「そうっすよ!
俺らが全力で守りますから!」
「悠生さんは俺ら蒼龍の光です!」
「それに、俺らの名前数日で覚えてくれる女なんて悠生さんしか居ませんよ!」
「いや、お前それ関係ねぇだろ!」
最後は皆笑ってたけど。
そう言ってくれる下っぱくんたちに、また涙が溢れてきた。
「ありがとう。
これからもよろしくお願いします!」
涙を流す私に、後ろから近づいてきた那都が頭をくしゃっと撫でてくれた。
「たくっ。
どんだけ泣けば気がすむんだ、お前は。」
「えへへっ。」
そんな那都の行動を、下っぱくんたちだけじゃなく、里桜たちも目を見開いて驚いていたなんて、全然知らなかった。
その後は、
「よしっ、報告は以上!
今からは『悠生~!蒼姫決定おめでとう!パーティー』だよ~。」
と言う海の声で一気にお祭り騒ぎに。
私も那都の隣のソファーに座って、里桜からもらったオレンジジュースを口に含んだ。
他の皆はお酒飲んでたけど…。
私も黒蝶連合の中じゃ、アズと曹の次にお酒強いんだよ?
何て、言えないんだけどさ~。
私はこの時、そしてその後も、那都にときめいた事は頭の中から消えていたーー…