二つのシルエット
目的地に着き、車から降りた私たち5人。
カラン カラン
「いらっしゃいま…ってお前らかよ。」
ドアを開ける音に振り向いた店員さんは、営業スマイルから少し呆れたような、そんな笑顔に変わる。
「お久しぶりっす。弘樹さん。」
那都が敬語を使ってるあたりから、この人が前総長の店長さんなんだろう。
「おぅ、久しぶり。
…ん?女が居る。」
前総長さんと私の視線がぶつかった。
「あ、はじめまして。
羽原悠生です。」
「おぅ。よろしくな!
俺のことは弘樹でいいから。」
「ありがとうございます。
弘樹さん。」
「いやいや。
あ~、お前らはその辺の空いてる席座っといてくれ。」
そう言ってキッチンの方へ歩いて行った弘樹さん。
お客さんも結構居るし、忙しいんだろう。