『箒星の組み紐』
いや、違う。今までの俺とは違う。

『今』、奇跡を身近に感じる。今まで神様なんか、とか言っていた自分が、得体も知れない何かに感謝をしている。

高だか二十四年間生きていた中の挫折の繰り返しで、もう己の心が荒んでいるであろうと自己暗示していたのであろう。それ故、今まで大切な何かを見過ごしたり、見失ったりしたものがたくさんあったんだろう。

だったら、今日から、『今』から、この瞬間から自分の大切な何かを取り戻せばええやん！

今日のクリスマス・イブに当たって砕けろで砕けなかった。

俺って、やればできるやん！

今のこの願いが叶うのであれば、これからも、あの女性を大切にしたい。

この後、もし振られたってもええよ。

あのとき、あの瞬間、あの女性はこんな俺を受け入れてくれたんだ。

こんな奇跡があるか？　いや、今、現実に起こっていることを、ただただ素直に感謝すべきだ。

数分経った今でも信じられない。あんな可愛い子とおしゃべりできるチャンスがあるんだ。

今まで何度かあったチャンスは逃してきたんだから……

俺は男だろう！　だったら、このチャンスを逃してたまるもんか！

今までの過去の自分に囚われ過ぎなくてもいい。

『今』の自分に素直になろう。よし！　そうしよう！
< 27 / 73 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop