『箒星の組み紐』
「あんたら、もうやめなさい!」

母親が泣きながら二人の頬をおもいっきり叩いた。

「おかん、ごめんな」

「恭平……ホンマありがとうやで」

「おかん、あのな、俺、近々東京へ行くねん。」

「急にどうしたん?」

「あのな。今夜、運命の女性と出逢ってん。そんでな。俺、東京でパイロットの仕事するねん」

「そうなんや、あんた、今夜、恋人と自分の夢を見つけたんやね。お母さん、嬉しいわ」

「お前な! 何言ってんねん! パイロット? どアホのお前がか? おもろいギャグやのー、はははは」

俺はオヤジの言葉を完全に無視した。
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