『箒星の組み紐』
それ故、その影に魅了された人の心の外側は、
己の弱さを隠すためにガチガチの取り繕いのプライドで装う。


さらに、虚勢に近いニヒルな言動で精神の安定を保とうするのだが、
その一方で心の内側はというと、
そのどっしりした影の虚構の光を我が手中に収めるために、
ありとあらゆる手段を使って必死でその影にしがみつき、
絶えず何かに怯え苦しみもがいているのである。


それが良いのか悪いのかは、その人が決めた人生である。
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