たんすの中の骨1

もうぜったいに来るもんか、と思っていたのに。

私は泉にノートをたくし、バスに揺られ、角を曲がって坂道を登り、昨日と同じ場所にやって来た。

「手帳・・・手帳・・・」

なおくんいるかしらんなどと考えながら、そびえたつ本棚の間を泳ぐように進む。

見当たらない。

私のピンクの手帳は薄い単行本のような、どこかに大切にしまってあった古びた洋書のような、そんなすてきな見かけをしていた。
(お値段もそれなりだった)中には予定や日記、そして何よりもお気に入りの写真が数枚入っていた。
中でもお気に入りの2枚があって、ひとつはイギリスにある遊園地のメリーゴーランドの写真。
もうひとつはついこの前まで私の家に泊まっていた、ある美しい女性客とのツーショット写真だ。

どうしよう。見つからない。

「絶望的だぁ・・・」


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