たんすの中の骨1



がたん、と音がして、私は振り向き驚いた。


箪笥だ。


壊れた扉はぎいぃと鳴り、中から『彼女』の片腕がするりとこぼれ出た。
それは月の光にてらされて、人魚のように艶めかしく横たわる。

私は急いで『彼女』をしまいにかかった。
はやく。恐怖に潰される前に。私の涙が出る前に。

片方だけネジの緩くなった扉はなかなか閉まらない。私はパニックに襲われながら、それを持ち上げ力任せに押し込んだ。




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