生きてるロボット
★博士の存在



所変わって研究所―――

無くなった右手を丸い機械の中にいれると、見る見るうちに元通りになっていく

「これもうまく作動するようだな」

「…俺たちを何のために作ったんだよ」


ピピーッピピーッ

機械から腕を出してみるが、動かない

「1時間くらいここにいろ、今は見た目だけだ。中身を作り終わるまで外に出るな、じゃ無いと、腕が落ちるぞ」

「お、おう」

彼女は机に向かい、机の上には散らかった資料の山を手に取り、シュレッターにかけていく

「それ何の資料だ?」

「お前たちの資料だ」

「いらないのか?」

「完成したからな。もういらない」

01は床に落ちた一枚を手に取った。それはあきらかに子供が書いた絵、その絵の左上に描いてあったのは【ココロを持つロボット】

「これもいらないのか?」

「あぁ、いらない」

「お前、いつから俺たちを作ろうとしてたんだ?」

「覚えてない」

あいかわらず、表情を変えない彼女。その顔から何も読み取ることができない

「もしかして、俺たちを作ったのは、自分に心を取り戻すため?」

そのとき彼女の手の動きが一瞬止まった

「一時間たった。もう帰ってもいいぞ」

しかし、一向に帰ろうとしない01

ピロン―――

ブレインが鳴る。そして、彼女がそれを手に取り、表示されたのは

【01 自分の作られた意味を知る】

それを見た彼女はデリートを押し、この記憶を無かったことにした

「さぁ、腕はできた。帰れ」

「言われなくても帰る!!」

01は自分の記憶を消されたことも知らず、みんなのいる家に戻った

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