愛を教えて。
「さっきは…ありがと」


小さく告げると、彼はなんのこと?と笑った後、今思い出したような顔をして

「あっうん。綾音ちゃんのヒーローだから俺」


私はこんな奴にヒーローになってといつ頼んだ。

誰かに助けを求めたって、あんただけには縋らない。



私を助けてくれるのは、


助けられるのは、


あの人しかいない。









昔、泣いている私をいつも励ましてくれたのは、いつも兄だった。



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