Fahrenheit -華氏- Ⅱ


へ!?


俺が目をまばたいていると、


「“カンナ”の花言葉は“永遠”。どうかお二人の仲が永遠であられますように」


とウチヤマは、またもにっこり。





カンナ―――神流……




偶然??でも…


ウチヤマ!何ていいヤツっ!


「現金ですね、啓は。ウチヤマさん、お花をあとで部屋に届けてください。宜しくお願いします」


瑠華は淡々と言って、エレベーターホールに向かう。


…あれ??だけどウチヤマは俺の名前何で知ってるんだ?


「こちらのお客様のことなら何でも存じ上げてます」


ウチヤマは口の端を奇妙に吊り上げると、ふっと笑った。


それは今までの人の良さそうないかにもデキると言うコンシェルジュがはじめて見せる、不敵な笑みだった。


何でも………


怖っ!


俺は慌てて瑠華のあとを追った。


「なぁなぁさっきのウチヤマ…さん?あの人いつもあそこに居るの?」


エレベーターを待っている間、俺が聞くと瑠華は顔を上げた。


「あたしが通るときは大体いらっしゃいますが。それがどうかされました?」


「いや…ここの住人のこと知り尽くしてそうだし、博識だよな」


「ええ、サービス業とは言え頭が良くて機転がきかないとできない仕事ですよね」


ちょっとばかり頭が良くったって、ちょっとばかり上手く立ち回れるからってこなせる仕事じゃなさそうだ。


究極のサービス業だぜ。


世の中色んな仕事があるんだな。


「ってか、あの人いくつぐらいなの?」


見た感じ俺とそう変らないぐらいなのに、あのそつがない仕事っぷり。俺とは正反対だぜ。


見習わなければ。何せ瑠華もウチヤマにを頼っているふしがあるからな!


「年齢?さぁ、はっきりとは。あ、でも娘さんが今年高校生になったとか…」





高校生の娘!?あの人いくつなの!!


謎だぜ、ウチヤマ!!







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