Fahrenheit -華氏- Ⅱ
「二人して瑠華のベッドの上で夜中までアイス食べながらドラマ見たよね」
「そうそ、それであたしのママにしょっちゅう怒られてた」
「でもあたしには優しかったわ、でも本当の子供のように叱ってもくれる。いっつも美味しいご飯作ってくれて、時々手作りケーキも食べて、それがびっくりする程美味しくて」
あたしたちは顏を見合わせ笑い合った。
その後、あたしたちが別の大学に進んだワケは、このままだらだらと大学生活を送るつもりはない、と二人とも思ってたから。つまらない授業にうんざりしながら長い時間を無駄に費やすこと、それに意味を見いだせなかったから。
それよりも早く飛び級して、一緒に会社を立ち上げようと二人で話し合った結果、ファーレンハイトが生まれた。
あたしの方がレベルが低かったと言うのもある、あっさり飛び級して先にファーレンハイトを起業した。後に心音がチームに加わってもらう為、SEと言う席だけは空席にしたまま。
「物流てさ、凄いじゃん?ほらっ、希望している物を欲しい人がいて、でもそれが手に入らない。他社で取引して届けてあげる、それってちょっと夢があっていいよね」
と心音は当時言っていた。
心音の言葉は意外で、ロマンを感じた。
けれど、あたしが起業した地域はそれほど物流会社が無かったから需要があると思った、と言うことは黙っておこう。
「あんたは夢見る少女、あたしはボーイフレンドとの軽い付き合い。
でも今は逆転したってこと?」
心音が意地悪そうに言い
「逆転?やめてよね、まぁ最初は軽い感じだったけど、今は啓と一緒にいて楽しいし幸せ」
でも心音は、軽い付き合いじゃなく本気でジョシュのことを愛した。
それって逆転じゃないわよ。
成長したってことよ。