髪の短い天使



人に触れられないっていうから……








昔の私にそっくりだったのよね。








「いや、横山さんはてっきり教科の先生かと私は、思ってたんで、麗から聞いたときはこっちが驚きましたよ。しかも、学年主任も嘘だったなんて!」








笑いあう私たち。








「そうよ。私って意外に嘘つきよ。ふふふ。」








お茶を飲みながら、ゆっくりと話し合う私たち。








みんな、大人になるのよね。








そういえば……








「美幸さん、天使の話覚えてる?出会うことはできた?」








「はい、おかげさまで、すぐ近くに。」








そう言って、麗を見る美幸。








素敵な友情ね。








「じゃあ、横山さんも見たことだし、仕事もあるので、失礼させてもらいます。」








立ち上がる二人。背も少し伸びていた。








若いっていいわね。








ドアに手をかける美幸。








「それでは、失礼します。横山さん……いえ、理事長。また来ます。」








私は、いい学校を造ったな。








そう心から思った瞬間だった。








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