髪の短い天使
愛結美が私に近づいてくる。
こいつ、何やるつもりだ。
「あんたの顔に傷つけたら、どうなるのかしらね。」
そう言って、愛結美はカッターを私の顔に近づける。
刃先が私の皮膚につく、と思ったとき、私の後ろから声がした。
「おい!お前等、何やってんだ。」
この声、神谷だ。
愛結美の取り巻きは、神谷の声に驚き、私をつかんでいる手をゆるめた。
私は、愛結美たちから逃げて、神谷の後ろに隠れた。
神谷は、私を驚いたように見た。だが、すぐに状況がわかったらしく、私を背中にかばった。
神谷の背中が大きく見えた。
「神谷……あんた、なんでここにいるのよ。」
愛結美は、驚いている。
無理はない。だって、ここに神谷が来るなんて、考えもしなかっただろうに。
「おい、永田。お前、そのカッターで、須藤に何しようとしてたんだよ。」
愛結美はとっさに、カッターを隠す。
「何よ、あんた達付き合ってるの?みんなに言い触らすわよ。」
こいつ、サイテーだ。
私は、神谷には迷惑をかけたくなかった。
だから尚更、愛結美が憎らしく見えた。