同窓会
私たちのクラスは仲が良くて、卒業してから何度も同窓会があったり、みんなで遊びに行ったりする機会があった。

だけど、私は大石くんに会うことを、どうしてか怖く思っていて、どれにも参加しなかった。

「でも同窓会も来ないし、連絡先も知らないし、芦田は教えてくれないし…。」

私はただ自分の頭の中だけで完結させてしまっていた。

きっとダメだ。

きっと傷つくことになる。

…なんて実際は分からないことなのに。

「でも、今日来て良かった。片桐にまた会えて良かった。」

そう言って笑った大石くんに、私も今日会えたことを心から嬉しく思った。

「付き合ってくれる?」

これって夢なのかな。

「片桐?」

「え、あ、うん。…よろしくお願いします。」

すごく恥ずかしくなって、顔を見られないように深くお辞儀した。
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