桜の木の前で
たどり着くと瑠璃は弓と矢を握り締めていた。
瑠璃の霊力で弓と矢が光る。

「何をしているんだい?」

「来ないで!」

ゆっくりと近づくと瑠璃は自分の周りに結界を張る。


「分かっているかい?ここは鬼の世界だよ?ここでは俺に適うものはいないんだよ?」

不安そうに瑠璃は弓と矢を強く握り締める。
どうして俺を思い出してくれないんだ?

少しイラついて挑発する。

「なんならその弓で俺を射るかい?」

瑠璃は暫く考えて弓に矢を番えてこちらに向ける。
だけど瞳は動揺している。

矢を放つ間際瑠璃は狙いをわざと反らした。
しかし軽く腕をかすり血が出る。

封印の矢か。

かすった瞬間霊力が流れ込んでくる。

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