桜の木の前で
「あっ!」

瑠璃は腕から血が出るのをみて後悔した表情を浮かべた。

「封印の矢だね。やはり君は昔のまま優しいんだね。」

「だから私は真珠さんじゃないわ!」

少し震えた声で叫ぶ。

「いいや。追い詰められても相手を憎み切れず最後には許してしまう。昔のままかわらないんだな。」

近づきながら瑠璃の結界を破る。

「やはり俺の事を思い出さないか?」

「だから私は真珠さんじゃ・・・」

瑠璃がそういいかけた瞬間俺は瑠璃の口をふさぐ。

「やっ・・・」

瑠璃は俺を思いっきり突き飛ばす。

「きっと思い出させるよ。それにこの屋敷には術をかけてある。だから逃げれないから。」

そう呟き部屋から出て行く。

少し歩くと瑠璃のいる部屋から泣き声がかすかに聞こえてくる。

「白夜。」

「はい。」

「瑠璃に華を。」

「わかりました。」

君はいつになったら戻って来てくれる?
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