純恋
「ったく・・・しつこく携帯をもたせたがったのは店の手伝いをさせるためかよ!!俺は便利屋ぢゃね〜ぞ。」


裕美がママをやってる高級クラブに着くなり制服を渡され文句を言った。


・・・が、聞いちゃいねぇ。


「とりあえず着替えたら店の掃除からね!!それから・・・」


小声で裕美は俺に囁いた。
「くれぐれも親子だという事は内緒だからね!弟って事になってるから。店では裕美お姉様よっ!!」


・・・言われなくても
俺があんたを《母さん》って呼んだ事ないだろ・・・

裕美は、言う事言ったらさっさとヘアメイクに出掛けて行った。



「おはようございまぁ〜す。・・あれ??今日はママの弟君がきてるんだぁ〜〜嬉し〜〜い」

ガバッと抱きついてきたのは店でナンバー1の由美さんだ・・・


キツい香水の匂いが俺の鼻を刺激する・・・

ぞわぁぁぁ・・・
体が拒否反応を起こす。
サッと体を引き離すと


「そんなに照れなくてもいいのにぃ〜〜舜って本当にかわい〜〜」


ケラケラ笑って店の奥に入って行った。


・・照れてるんぢゃねぇよ・・・気持ち悪いんだよ・・・・


俺は他人の体温が苦手だ・・・
触られるのは特にいやだ。
男も嫌だけど、女はもっと我慢出来ない・・・・


自分以外の人間の体温が嫌だ・・・・



気持ち悪いんだ・・・・



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