占い師の恋【完】
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「茉希店寄ってけよ。」
「は?…何で。」
今、何となくの流れで風見さんと肩を並べて街を歩いている。
バイトは午後からなのでまだ時間には余裕があった。でも何で風見さんが働いてる美容院に行かなきゃいけないんだ。
「嫌です。何でですか。嫌です。」
「二度言うな二度。」
「オッサンうっさい。」
「敬えっつってんだろ。三十路も来てないまだ20代だ。」
「後三年ね。」
すかさずツッコミを入れてやればそこは流石に風見さんも黙り込んで落ち込んでしまった。
後からグチグチ言われるのは面倒くさいので軽めにフォローを入れておいてやる。
「若く見えるから、まあ大丈夫ですよ。」
「お、おー。」
「(照れてる…。)」
まあ、今回はこれ以上素直な口を開かないでおこう。
私と風見さんは話している内に前は青に連れてこられた風見さんの働くキャリイに到着。
まあ入れよなんて偉そうに言う男に盛大に舌打ちをしといてやるがスルーされて膝に蹴りをいれてやった。