占い師の恋【完】


――――それから。


私と青は杉山さんの車に乗り込んだ。助手席には愁さん、後部座席に私と青。

何故か四人でファミレスに行き、今はお昼ご飯を食べ終わりそれぞれ飲み物を飲んでいる。



青はブラック珈琲、私と愁さんはアイス珈琲、杉山さんは……、相変わらずのあれ。

そう。ミルク異常なほどに入れた珈琲。



「もういっそのことミルク飲めばいいんじゃないですか。」

「馬鹿だねえ茉希ちゃん。そんなん大人が飲むものじゃないよー。」

「それを飲む人に言われたくありません。」

「……。」



くすくすと笑う愁さんに杉山さんは恥ずかしそうに睨んでいる。その顔も緩んでいるけど。


と。


私の隣に座る男はそう簡単にはいかなかったらしい。



「俺だけ見てってば。」



チュッ、と。その声に顔を向けた瞬間に耳に響く小さなリップ音。

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