占い師の恋【完】
困ったなーなんて言って悩む素振りを電話越しに伝えてくる店長に。
「あの、もう電話切ってもいいですか?電話代勿体ないんで。」
冷たくあしらい耳元から携帯を離そうとした――が。
“ま、待って!じゃあこうしよう!今日出てくれたら、お休みあげる。これでどう!?”
ピクリ、1ワードに私は動きを止める。
お休み…?
この店長は結構ケチで、あまりお休みというものをくれない。単純な私はお休みっていう言葉に釣られて。
――――答えはすぐに決まった
我ながらなんて簡単な女なんだろうかと電話を切ってから激しく後悔。
「準備しよ…。」
ぽつり呟き携帯をソファへと放り投げた私は、洗面所へと向かったのだった。