占い師の恋【完】
「…何で、私に話すんですか。」
それでも声だけは冷静を装う。実際頭の中とか心臓とか、フル活動だけど。
電話の向こうで、杉山さんの少し笑う声が聞こえた。
それも、同じような笑いを聞いたことがある。喉の奥で笑うような、吐息混じりの甘い笑い声。
まあ、声というよりは音だけど。
『さあ…何でだろう。占ってみれば?君の得意な占いで。』
「…、いいです。面倒臭いですし。」
『占い師がそんなこと言っちゃダメだよ?常に゙勝負゙しなきゃ。』
「……あんたの意図がよめません。」
そう言った私に、杉山さんはとても楽しそうに愉快に笑った。
ケラケラと笑う杉山さんに苛々していると、一つ息を吐き、
『簡単にはよめないから、燃えるんだよ。勝負が簡単に着いたんじゃ面白みがないからね。』
「…あっそうですか。」
『はは、冷たいなあ。』
「……青は本当に知らないんですか。」
何でこんなこと聞いたんだろう。あんまり、深入りしない方がいいと思うのに…。
口は勝手に開いて言葉を紡ぐ。多分、心のどこか半分は知りたいと叫んでんだ。