《続》ポケット



沖縄の、碧く広がった海をバックに、クラス写真を撮って






「では、早速班行動してもらいます。

ホテルの地図は各自持っているはずなので、時間内に帰ってくること。」





と、早くも班行動になった。





んー

どこみても、海が青一色!





やっぱり、濁った都会の海とは違う。






「あゆむー」








隣にいたはる君に名前を呼ばれたと思えば、もう既にはる君以外の班の皆が私のずっと前を、歩き始めていた。







「わ、ごめんはる君」






と、走ろうとすれば







「ゆっくりでいーよ。」








と、腕を捕まれる。






そうだね、なんて爆発しそうな心臓を抑えつつ、冷静に返事しはる君の隣に並ぶ。






……冷静、冷静、冷静。







頭の中で繰り返してみるものの、さっきからドクドクなってる心臓。



はる君に触れられた腕が熱い




…緊張と、この沖縄の暑さで倒れそう。






「…歩夢、熱あんの?」






なんて心配してくれたはる君が、私のおでこに手をあてる。






いっきに熱くなり、

何も考えられなくなって、


足場のあまり良くないこの場所で、ふらっと倒れかけて




はる君が私の腕を引っ張りたち直す。




「だ、大丈夫です」






……精一杯声を振り絞って、はる君を見れば。




いつもの爽やかな笑顔でこっちを見た。





……ああ、わたし。




こんなんじゃ、この修学旅行、たえられなそうです。
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