【短編】疲れた時には…
「珍しいですね、主任が詰まるなんて…」

そう言って、すぐ側にきて私の横からパソコンを眺めている。

「ちょっ、近いわよ、田川君!」

あまりにも近すぎて、彼のつけてるだろう、フレングラスの爽やかな匂いが鼻についてしまう…

「?」

あれ、これって…

彼の纏う匂いに覚えがあり、つい職業柄 側にある彼の首元に鼻を近づけ

くんと匂いを確めてしまう。

「主任のエッチ♪」

「…な!?」

しまった!!自分から近いとか言いながら、自分から近づいてしまった!!
しかも…に、匂いまで!

「え、えっちって…べ、別に、そんなつもりで」

あまりにもパニックになって、どもってしまった。

しっかりしろ!一ノ瀬 朱里!

自分に勝をいれ。彼と向き合う。

私は椅子に座ったままで彼は私のデスクに片手をついて、少し前屈みになっている。

「それ、って…」

「あっ!わかりす?流石ですね。主任が試作品で作った。ハーブコロンですよ。匂いが気に入ったんで、つけさしてもらいました。」

彼が身に纏っている香り

それは、数日前に私が試作品で作ったハーブコロン100%天然生物。商品になるかは【開発企画部】の会議で決まる。
試作品は基本、自分の部署で使用するわけで、なぜ【営業部】の彼がつけているのか…

「橋本君と新君ね…」

まったくあの2人は…
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