《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
あたしには彼女の本当の
辛さなんて、理解できて
ないに決まってるんだから。



『こんなあたしじゃ……
意味ないのよ――…!!』




――もしあの時、あたしが
何かを答えていれば。



『どうすればいいか』を
教えてあげることができて
いれば――

未来は、変わってたんだろうか。



……今はもう、それすらも
わからない。



あたしは何もできなかった。



ただ、彼女を見つめ、歯を
食いしばって……ギュッと
両手を握りしめることしか
できなかった。


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