《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
その手をスルリとすり抜けて
いこうとしてるものが、
どれだけ大きくて大切でも。



言葉を知らない幼いあたしは――
それを引き留める術を、
持たなかったんだ。





……今でもまだ、悔いている。



誰もあたしを責めたり
なんてしないし、逆に
同情すらしてくれた。



だけど……あたし自身は、
決してそれを忘れることは
できなくて。



今もまだ、ずっと。



あたしは彼女への贖罪の
方法を、探しているのかも
しれない……。





     * * *


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