《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
その日。



あたしは朝から考えていた
ことを、思いきって先生に
打ち明ける。



「先生――実は、お願いが
あるんですけど」



「………ん? なんだい?」



「明後日の土曜日、時間を
もらえませんか?

先生に、一緒に来て欲しい
所があるんです」



「一緒に――って、どこだい?」



音符を書きとめる手を
止めて、当然のことながら
先生はそう尋ねてくる。



だけどあたしは、
申し訳なく思いつつも
首を横に振って答えた。


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