《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
作曲と練習の場所には、
先生が学校近くの小さな
スタジオを借りてくれた。



あたし達は放課後になると
そこに集まり、毎日作業に
明け暮れた。



感覚を取り戻すため簡単な
練習曲をこなしてから、
譜面のある前半部分の
練習に移り……


後半部分は、前半の雰囲気を
もっと高めて効果を出して
いけるような旋律を、二人で
ああでもないこうでもないと
延々話し合った。



そんな時間を繰り返す
うちに、あっという間に
数日が過ぎ――

気づけばお姉ちゃんの
命日は、もう明後日に
迫っていた。


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