【完】貴方が居たから。
私が諏訪さんに振り返ると、紀斗さんがフラフラした小春を掴まえた。

腕を見て、何かを言った。



「どうしたの…」



「打たれてんねん」



「「え…?」」



「薬や。薬、打たれてんねん」



…何を言ってるの?

小春が何で打たれるの?

“若い子が覚醒剤を勧められる事件が多発しとってな…わけもわからず手を出してしまうんじゃ”――…。

おばあちゃんが言ってた事を思い出す。



「んー…喉、渇いたぁ!章造お水ちょうらーい!」



小春は自分から?

それとも、誰かに?

私は小春から1歩2歩と離れる。
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