音友~オンガクトモダチ~
とうとう、引っ越しの日がきた。
私は友達と一緒にお別れ会をした。
みんなで一緒に笑った。みんなで一緒に泣いた。
なによりも、楽しい毎日だった。なのに・・・
「さぁ!出発だぁい!!」
パパ!?あ!そっか・・・パパは東京生まれだもんね。
そりゃあうれしいよね!
「車に乗れぇい!」
パパの大きな声で、これからの不安がぶっ飛ばされた。
よし!!
私は、大好きなギターを持って、車に乗った。
でも、達也は不安な顔してる・・・。
引っ越すことは言ったよ。
でも、意味、分からないみたい。
「よっしゃゃ!行くぞ!」
パパはあいかわらず、ツンツンだ。
よし!出発!!
車が家の前を通りすぎた途端に、達也が泣き出した。
「うぇーん。お家は!?どこへ行っちゃうの!?」
達也・・・
「ん!?大丈夫だよ。お姉ちゃんがついてるもん!」
私は、頑張ってなぐさめようとした。
でも、いつのまにか、達也は眠ってしまった。
そして、ママもいつのまにか眠ってて。
もう夜の11時。私も寝たいけど・・・
「パパ!寝ていい!?」
「おぅ!いいぞいいぞ!!気にすんな!!」
「ごめん。ありがと。」
そういって、私はいつの間にか目を閉じてすやすやと
眠りについた。

「優!ゆ~う~!!起きなさい!!」
ん??ママ!?
「おはよ~。」
私は、夢も見なく、深い眠りだった。
「おはよ~。じゃないわよ!!ついたよ!」
「ん!?どこに?・・・って家に!?」
目の前を見ると、3階建ての豪邸みたいな?家があった。
お庭や、テラスが外にあるのが見える。
「すっごい!」
と私が言うと、
「すっげぇ~。」
達也もまねして言った。
「よぉし!中に入るぞ!!
家具は家具屋に頼んで中に入れておいたからな!」
「うん。」
3人で声を合わせていった。
達也はもうすっかり元気みたい。良かった・・・
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