新聞部部員AとBの事情。
俺に聞くなよ…と利郎は若干目を細くしながら、慎重に言葉を選ぶ。
「まず。緋芽先輩の気持ちは緋芽先輩にしか分からない。」
「はい。」
まぁ、本当は知ってるけど。
「だから次会ったときにでも聞けばいい。」
「はい。」
丸い二つの目がパチパチと見つめる。
初めてうさぎに触る小学生みたいな眼差し。
未知への興奮と無邪気な好奇心の眼だ。
利郎はその眼に違和感を覚えながら、もう一つチビモモンガに入れ知恵をする。
「あ、後、緋芽先輩が保健室で弁当を広げてる理由もついでに聞けばいいと思うよ。」
「? はいっ。」