ありえない高校生マリッジ
リビングで、私は初めて奥様の薫様と直に顔を合わせた。

「初めまして・・・渚の母の薫です。小さくなっちゃったけど、これが渚の父親の歳三です」
膝元に置いた歳三様の骨壷を見せた。


「初めまして・・・渚君の妻となりました那岐紗です。そして、智樹です」

私も膝に乗せた智樹を薫様に紹介した。

「初めて見るわね・・・智樹君・・・何ヵ月?」

「11ヵ月です・・・」

「そう・・・」

「仕事の上では成果上げられなかったけど・・・とりあえず、父さんと母さんの差し金で、俺は那岐と結婚して、智樹と言う息子も出来た。
親孝行はしたよな・・・」

「まあね・・・でも、那岐ちゃん…美人だし、胸大きいわね・・・」

「今、「スコール」の新商品のブラお試して着けているので、大きく見えてるだけです」

「・・・元々大きいだろ?」

「あら、すでに渚は見たの??」

「・・・勝手にコイツが浴槽で溺れてる所、助けて見ただけだ・・・
母さんが思うようなコトは何もしていない・・・」

一昨日、家族を亡くしたような雰囲気は二人から感じられなかった。
私の前だから、明るく振舞っているだろうか?


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