ありえない高校生マリッジ
「渚…帰って来たのか?」

伊集院先輩が切れ長の瞳を開く。
彼の瞳には泣き顔の渚君が映り込んでいた。

「敦司、大丈夫か?」

「・・・お前の泣き声がうるさくて、眠れない」
伊集院先輩は悪態をつきながら、上体を起こした。

「起きて、大丈夫なんですか?」

「大丈夫だよ。心配かけて、ゴメン。那岐ちゃん」

「伊集院先輩・・・」

「渚に謝らないといけないコトがある」

「俺もお前に謝るコトがある」


「プレゼンのことならいいさ。天災が原因なんだろ?仕方がない・・・」

「お前の謝らないといけないコトってなんだ?敦司」

「今日、私に会いに…伊集院頭取が来たの・・・」

「えっ!?」

渚君の顔は鳩が豆を食べたようになった。

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