ありえない高校生マリッジ
「仕事でプレゼンしなきゃいけなくなった・・・頼む。力を貸して欲しいんだ。敦司」

ライバルの敦司に頼むのは非常に嫌だけど、父さんに冥土の土産を作る為、この際仕方がない。


「敦司だけ?なら、俺達要らないじゃん」


「圭吾お前にも達生にも頼みたい!!」

「ライバルの私に頼むなんて・・・渚も相当切羽詰まっているんだな・・・」

敦司は不遜な顔つきになった。

「プレゼンね…漠然と頼まれても・・・資料とか見せてくださいよ。氷室先輩」

「これが資料だ。これは社外秘だ。他の連中には見せるなよ」

俺は昨日、徹夜で仕上げた資料を3人に配った。

「用意周到だな」
圭吾はペラペラと資料を捲りながら、感心した。

「話はそれで終わりか?」

「・・・文化祭のコトもお前らに一任したい」

「・・・会長の仕事も社長の仕事も私たちに押し付けるのか?渚」

「・・・スイスに行った父さんは胃癌で、容態が急変して、昏睡状態なんだ・・・」

「スイスにはいつ行くんだ?」

「・・・今夜、成田を発つ。その前に頼んでおこうかと・・・」

「那岐ちゃんはどうするんだ?一緒に行くのか?」

「那岐は無理だ・・・智樹君の世話もあるし」

「そうか・・・なら、3人で面倒を見よう」


「何から何かで悪いな…皆」





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