秘密のMelo♪y⑤*NY編*

そうしていたのが午前十時過ぎのこと。

色々と、準備は進んでいた。


「もういいじゃん」


「いやまだ手続き済んでないんだってΣ」


「……チッ」


「舌打ちした!? 私の娘、今舌打ちした!?」


…このやりとりも、さっきから何回繰り返されていることか…。

いい加減飽きた。


「ねえ真琴…。僕頑張ったよね? さかもっちゃんがさ、コロちゃん達と来れるように…野木がヘリ出せるようにさ、色々頑張ったよね? なのにさ、なんで怒られてるのかな僕…。最近まおがお前に似てきている気がするよ、真琴…」


『へー。武藤真琴ってマヒロに似てるんだ』


「武藤じゃないやい! 僕の妻だい!」


『いいじゃないですかー。音楽家やってた頃は武藤なんだから』


「ふんだ。…じゃ私、せんせえに挨拶してくるよ。といっても通院は続けるけどね」


「死んでもヤ」


「ヤじゃあるかΣ」


きっぱり言い切った真裕には、断固拒絶の色が伺えた。

そういや病院嫌いなんだっけか。誰かが言ってた気がする。

『極端な病院嫌いで、行きゃいつもの数割増しで幼児化』…って。

……いや、これどう考えても…楓……だぁなぁ…。


「来るったら来るんだっ」

「いやったらいや!」

「ダメ!」

「いや!」

「……」

「……」

「…よし分かった。あめちゃんをやろう」

「いらね」

「なにおっ!?Σ」


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