秘密のMelo♪y⑤*NY編*
―――……
一時間後、手続きがすんだのか、予定より早めに病院を出ることになる。
『また今度』
と言われて、「死んでも来るか」と呟いていた真裕は幸い日本語だった。
「花梨ちゃん達、先に別荘で待ってるからな」
「野木さん来ないの?」
「私の話は!?」
「ねえ来ないの」
「え…いや、来るけど…。あいつのことだから、『お嬢様を置いて帰れるはずがございません!!』…とかって残るに決まってるけど」
「…そっか」
「ま、お前がいないんじゃどこにいても仕事ないだろうしな。こっちにいるほうがいいだろう」
さかもっちゃんも同じだ、と続けた親父さんは、生まれてこのかたしたこともないであろうことをした。
「ヘイタクシー!」
―ブオーン…
「……」
「……」
『……』
『……』
『……』
『……』
「……」
「…なにがしたいの?」
「え…? うん……、退院が嬉しくて、テンション上がって踊っちゃったーみたいな…?」