秘密のMelo♪y⑤*NY編*
あたしがさっきから聞こうとしてるの、分かってるよね?
わざと? わざとなのねえ。
「ねえ聞いてる?」
「えっ……。な、なに?」
「いつまで行くの?」
「…………へっ?」
は?
「……」
「……」
「……」
「……」
え、なんなの?
なにその呆気にとられたような顔は。
なに想像してたの?
すごく言いたかったけど我慢して、続けた。
「いつまでこれしてなきゃならないの?」
言いながら、びしっと右手で左腕を指した。
ずっと肩から吊ってる左腕は、固定されているためか全くと言っていいほど動かない。
そしてこの父様は、怪我については一言も言わないのだ。
「なにか隠してるでしょ」
…そう、思わざるを得ない。
「……その…こともだな。今日の検査ではっきりする」
「……」
父様がこんな真面目な顔をしていると…ロクなことを想像しない。
よくないことが起きるんじゃないかと不安でしょうがない。
「…どういう意味だい」
…いやあねそのまんまの意味よ。