秘密のMelo♪y⑤*NY編*
『ママママヒロっ、マヒロっ? これもあれも男なのよ一応!』
『女には見えなーい』
『なら追い出してから着替えなさい!』
…もいいじゃん。
着ちゃったよ。
まったくリジュってばめんどくさいのね。
『違うわよΣアンタがめんどくさがりなだけ!』
『これもあれもって俺とシュンのことかコノヤローっ』
『他に誰がいるっていうの?』
『これって言うない』
ふてくされるアッシュにちらりと目線をやりながら、もそもそとベッドから足を降ろす。
何気に歩くのは久しぶりだ。
「ハア…。目の前まで車が来ればいいのに…」
『どんだけ!?』
ふらつくあたしを支えながら父様は、『そんじゃー行ってくるよっ』とみんなに宣言して嬉しそうに歩き出した。
「ねえ」
「いやーしかし、そったらどんな子がいいかな? コロちゃん達と似てる子がいいかね」
「ねえったら」
「それともゴールデンレトリバーあたりいっちゃう?」
「いかねーよ。……そうじゃねーよ」
「じゃあセントバーナード」
……もういいや。
期待しないどこう。
なにがくるか分かったもんじゃないわ。
「そうじゃなくてさ…」