秘密のMelo♪y⑤*NY編*
『関係ないことないでしょ薄情者』
『だとしても顔見知り程度で……って薄情者薄情者うるさい!Σ』
久しぶりというのも妙なくらいに交流の少なかった俺達だが、確かにウィーンに他にこれといった知り合いはいない。
送るとしたらやつしかいねェだろうな。
『だいたいこのメモが腹立つんだよ』
『だって何も書いてなきゃあんたそれ破り捨てておしまいでしょ』
『……そうしよう』
『待たんかい!Σ』
「ユウキのばーかばーか」
『なにこら藤峰真裕!』
……。
なんだかんだ、自分からも挑発してんじゃねェかよ真裕。
お互い様だなおい。
『とにかくッ! そのチケット無駄にしたら許さないからね? いいわねっ』
『あ、おい待…』
―パチン
ユウキの不満を何一つ聞き入れることなく、メイリーは携帯を閉じた。
『ふっ。完璧』
『どこが!?Σ 絶対来ないでしょあれ!』
『来るわよ』
『…なんで分かるのそんなこと』
『ふふ…』
怪訝そうなリジュに笑いかけ、俺まで手招きして何か言おうとするメイリー。
真裕には聞かせたくなさそうだった。
…って嬉しそうに梨食っててもう忘れてんじゃねェのかあいつ。