秘密のMelo♪y⑤*NY編*
鼻息荒く立ち上がるメイリー。
なだめているうちに話は終わったらしく…けろりとして、ユウキは出てきた。
『ちょっと来なさいよアンタ…』
「え"…?」
メイリーのものすごい剣幕と凄みにビビりながら、なぜか俺に救いの手を求める目を向けてくるユウキ。
生憎俺にはどうしようもできない。
肩をすくめて、笑顔で見放した。
「おい…っ」
焦るユウキを、メイリーは連れて行った。
『ご愁傷様…』
『生きて帰ってきてねユウキ』
ニマニマと言う二人は、決して言葉の意味とその顔が合っていないことに気付いてないだろう。
『じゃああたしリベンジ行ってくるから❤』
『あったしも~』
そのままの顔で二人は、手に持った何かを振り回しながら真裕の部屋に飛び込んでいった。
『…マヒロ……モテモテだな…』
『…だな』
楓がいたら誰一人寄せ付けないだろうに。
というか近寄れないだろうに。雰囲気的に。
なんかそこまでべたつくわけでもないときですら、ものすっげェことイチャつかれてるような気になるというか…。
いや、確かにいつ見ても真裕は楓の腕にしがみついてるか、抱きついてるか、抱えられてるわけだけど…。
それだけであって…。
…いや、それも十分なんだけど、それ以上に感じるというか。
ともかく不思議な二人なんだよな。
ついこの間まで見ていた微笑ましくもある光景を思い出しながら思った。