秘密のMelo♪y⑤*NY編*
―そしてそれから歩くこと数分。
『ここを曲がるのね』
リジュの言葉通り、曲がり角を曲がったらついにその場所だった。
『?』
『あら…』
『マヒロ?』
「どうした?」
「う…ん…」
…もうほんの数歩。
数歩歩けば建物の中。
あたしは、そんな直前になって立ち止まってしまった。
『大丈夫よ! ね?』
「うん……」
どうしよう…怖い。
今になって…すごく怖い。
どうしよう?
行っても…あの人がいなかったら。
どうしよう…?
「いいから行くぞ」
「え!?」
『さすがユウキ…』
怖気づくあたしをお構いなしに引っ張ってくのは当然ユウキで。
だけどおかげで、少し勇気が出たよ。