秘密のMelo♪y⑤*NY編*
『あ…でもまだお話もございますでしょうし、後で大丈夫ですよ』
『そう…ですか…?』
ちょっと不安げな表情になる父様に会釈をして、先生は出て行った。
あたしが目を覚ましてから一時間は経った頃だった。
「…真裕」
先生が出て行ってすぐ、父様はあたしを覗き込んだ。
「色々話があるんだが…」
「ん…」
「あ、その前にな。お前は事故に遭ったんだぞ。分かるか?」
「ん…」
「それで…だな」
「待…って…」
「え?」
父様が何を言いたいのかは知らないけど、その前に……どうしても聞きたいことがある。
あたしは、自分のなによりもあの人のことが気になるの。
「…かっくんは……どこ…?」
「……!」
…やっぱり。
父様、この話避けようとしてたんだね。
どうして?
まさか…まさかかっくんになにかあったっていうの?
父様の顔を見て、一気に不安が押し寄せる。