秘密のMelo♪y⑤*NY編*
『場所…?』
「どういうことですか?」
結構に大きい布でね。
三十センチはあったと思う。
その端の方に血痕が付いていた…。
そして。
「…その逆方向の端っこは――…真裕が握っていたんだよ」
「…!」
「!?」
「…!!」
『!!』
『っ…!』
これがどういう意味だか分かるだろう。
真裕は恐らく、楓くんのそばを離れまいと服を離さなかったんだ。
だが……。
「……」
「……」
真裕が握っていたということは、楓くんに他ならない。
そう、思わざるを得ないのだ。
未だ見つからないことも、それを裏付ける決定打にしかならない。
私だって……嘘だと言ってほしい。
人間的にも私は楓くんが好きだ。
そして愛する娘の…一番大事な夫だ。
なぜ…!
なぜ真裕が失わなければならない?
なぜ奪われなければならない?
真琴…真琴、頼む。
もう一度だけ頼む。
楓くんを……連れて行かないでくれ…!