秘密のMelo♪y⑤*NY編*
――シュンサイド――
真裕が再び目を覚ました日。
喜びと安堵と共に、最悪の報せ。
…楓の……訃報の確定。
『やだよ…嘘でしょ…?』
ぽろぽろ涙を流しながらひたすら呟くのはハディ。
アッシュも頭を抱え込み、俯いていた。
俺はといえば…腕を組んで壁にもたれかかるだけ。
なぜ…こうなった?
その一言しか浮かばない。
頭が真っ白で、その一言しか浮かばない。
『うっ…うっ…!』
『ハディ…』
気を抜けば、俺だって泣いてしまいそうだった。
楓に限って……真裕を置いて行くことなんてない。絶対に。
そう、思っていたのに…。
…姿を見ていないだけに、実感が湧かない。
ただ、聞いただけだ。
しかも…「恐らく」というレベルの話で。
だけどそれは、確定的なものでもあって。
混乱する。
何を信じていいのか分からない。
その日はただ、悲しみに包まれるだけで。
ホテルに帰ることすら、できなかった。