鏡の向こう
「それにしても……、
紗香は、そういう一途なとこも、可愛いのに……。
私の可愛い紗香に、
“重い”てなんだ!!
ボケっ!!!!」
伊織はいつもこうやって怒ってくれる。
だから私は、フラれても明るくいられるんだ。
「さぁて、紗香。
新しい恋よっ♪♪」
『……はっ?!』
「メールの彼のこと、好きなんでしょ!!」
メールの彼って……。
恐らく、さっきメールきたときにディスプレイ見られてたな…。