鏡の向こう

「……私が、彼氏だったら、
言ってほしいな。」


少しの沈黙の後、
伊織が呟いた。


『…でも、言ってどうするの?
ましてや、会えるわけでもないのに??』

「会えないから尚更だよ。」


…ぇ?


「会えないからこそ、
恋人の周りで起こってること、
知りたいんじゃない?」


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