鏡の向こう


“なぁ~に??電話?誰からぁ?”

“いいから離れろ!”


携帯の向こう側で繰り広げられる会話に、
呆然とする。


拓海くん、女の人の声がするよ?

どういうこと?


“実有(ミウ)。なんで来た?”

呼び捨てだ。


きっと、ここで電話切っても、
気付かないんだろうな。

もう、これ以上聞きたくない。


“だって、拓に会いたかったんだもん♪”


ピッ。

私は終話ボタンを押した。


< 56 / 109 >

この作品をシェア

pagetop