鏡の向こう


――夜、


♪~♪~♪

私の携帯が部屋に鳴り響いた。


力なく携帯をつかみ、
ディスプレイを開くと、



“矢津田拓海”



一瞬、躊躇った。


……だけど、
通話ボタンを押した。


『もしもし?』

“ぁ、出た。”


安心したような声は、
何を考えているの?


『どうしたの?』

“昨日、話の途中で電話切れちゃったから。

…心配した。”


< 59 / 109 >

この作品をシェア

pagetop