鏡の向こう


こんなの、
分かりやすすぎるなんて分かってる。

でも、


“そっか。
紗香ちゃん、優しいね。”



ドクンッ。



心臓が大きく跳ねた。



いつものドキドキとは全然違う。



――紗香チャンハ優シイネ。


“実有さんなんていなくなっちゃえ。”


さっきの考えが頭を過った。




……私、優しくないよ。


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