鏡の向こう
この声は……。
私は恐る恐る顔を見た。
“紗香、今の誰?”
男の声がして、
少し不機嫌な拓海の声が聞こえた。
『……ぃゃ。』
“紗香??”
私の呟いた声に、
心配そうな拓海。
『なんで、いるの?』
「紗香ちゃんと愛を育もうと思って♪」
“紗香??”
私は携帯を耳から話した。
『帰って。』
「やだ♪」
『今すぐ。』
「だから、やだっていってんじゃん。」
じりじりと近付いてくるやつ。
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